出版契約について

前回までのブログにおいて、2023年5月に本の再々改訂を終えケンブリッジ大学出版会へ提出したところまでを話しました。ほぼ同時に契約のオファーを受けたのですが、今回は手短に契約とその直後に行わなったことについて述べたいと思います。契約と前後してもっとも後悔していることについては、以前に述べているのでそれを参考にしてください。

同年5月には、コロナが開始してから4年ぶりに日本に戻って、東京で二つ目の研究を開始したところでした。どちらかというと、久しぶりに日本に帰れたことと新しい研究をすることに気が移っていました。5月下旬に編集者から出版の大会議で出版契約をすることに決定したと、ものすごい簡素なメールを夕方にもらったことを覚えています(正直、もう少し感動の共有とかあっても良いのではないかと(笑))。ともかくも、2015年に博士号を取得して以降、コロナ以外にも公私共に色々とありましたし、ホッとしたという感じがしました。

契約そのものについては、特段びっくりすることもありませんでした。出版料とかも、そういうものかと思う程度ででした。予想に反したのは無料でもらえる自分の本が5冊だけだったのには驚きました。大抵10冊程度もらえるものと思っていましたので。上記のことや、日本語や中国語に翻訳するとしたらどういう条件なのか等を担当の編集者だけではなく、違う人にも聞きながら、基本提示通りに契約したという感じでした。親戚や日本の友達に「お金も受けられるね」的な反応を受けますが、そんなことはないと言っています(笑)。

契約後に待っているのは、大まかに二つのことでそれを2023年夏から冬にかけてすることになります(そして出版までまだまだ時間はかかります)。一つは継続して本の校正を行うことでした。夏は特に東京でリサーチをすることにやや集中しましたが、同時並行で改訂作業をするといった感じです。この過程は謝辞や書誌を書くだけではなく、本の中で使用する地図の作成やIndex(索引)の作成を頼むことも含みます。自分でできればいいのですが能力的にも時間的にも自信がなかったので、自費で払って依頼しました。大体1,700ドル総額かかりました。

もう一つは、マーケティング兼純粋な意味での編集担当の人(今までは学術的な意味での編集担当者)と本格的に話すことになることで。例えば、本全体や各章の要約を書くことだったり、どのジャーナルに書評をお願いしたいか、どの賞へ本を提出するかなど多岐にわたります。それまでともかく本を書き終わらせ、それを改訂することに集中していたのに、急に違う角度から自分の研究を見るような感じがしました。12月頃には本の表紙をどうするかなどそういう会話もするようになっていきます。いずれにしても、博論を書いてる時では体験できないことであり、少し不思議な感覚がしました。

以上のように、契約から契約後の作業を2023年の年末まですることになりました。この頃から段々と本の内容以外の事務作業のようなことにも目配せをしないといけなくなったという感想です。2024年の年初からそれはさらに深くなっていくのですが、それはまた次回に譲ります。

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